3連休、いかがお過ごしでしたでしょうか。
私は特に出かける予定もなかったので、自宅で本を読んだり、プライムビデオで映画見放題な日々を過ごしました。
まあ要するに、いつも通りですね!
映画は連休中に5~6作品は観たと思うのですが、その中でも特に印象に残った作品をご紹介します。
ご紹介するのは以下の3作品
↓
- ミリオンダラー・ベイビー
- ハスラーズ
- ポーラーエクスプレス
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ミリオンダラー・ベイビー(※ラストのネタバレあり)
クリント・イーストウッド監督&主演映画。
小さなボクシングジムを経営する老トレーナー・フランキー(クリント・イーストウッド)と、彼に弟子入りを志願する女性ボクサー・マギーの物語。
貧弱な女性ボクサーを老トレーナーが懸命に育て上げ、ついに彼女は世界チャンピオンの座に君臨する――的な『スポ根』映画かと思いきや、全然違う。
はっきり言って、後味悪い映画です。
「映画はハッピーエンドじゃなきゃ絶対イヤ!」という方には受け入れられない作品かもしれません。
クリント・イーストウッド監督の作品は他に『グラン・トリノ』や『運び屋』『人生の特等席』を観ましたが、単純明快なハッピーエンド作品はほぼ皆無な印象があります。
※あくまで、私が観た数少ないイーストウッド作品から抱いた印象ですが……
アメリカが長い間抱えている社会問題が随所に織り込まれており、それぞれのシーンや登場人物のセリフに対し、深く考察することが必要な作品が多いです。
『ミリオンダラー・ベイビー』についても、フランキー指導のもと、プロボクサーとして順調にのし上がって行くマギーですが、終盤は不幸な展開を迎えてしまいます。
唯一の生きがいでもあったボクシングへの復帰の道を絶たれた彼女は、自分の『最期』をフランキーに託します。
レビューによると、これは『尊厳死』の問題を提起しているということですが、私はどちらかというと『安楽死』ではないかと感じました。
日本では殺人罪として処罰される安楽死ですが、フランキーが信仰するカトリックも、安楽死や自殺幇助を禁じています。
一見、不幸な結末を迎えたかに思えるマギーですが、全体を通して考えると彼女は自分の人生をしっかり全う出来たのだと思います。
フランキーが『最期』を引き受けてくれたときも、彼女は実に満足そうな笑みを浮かべていました。
しかし、フランキーはどうだろう?
とうの昔に家族を失い、更にマギーまで失い、その後はボクシングジムにも二度と戻らなかった。
ボクシング一筋で、それ故に全てを失い、終いには重い罪まで背負ってしまった彼は、残りの人生をどのように全うして行くのだろう?
映画が静かに幕を下ろした後も、しばらくそのままフランキーのその後について、あれこれ想像を巡らせてしまいました。
「面白い!」とはっきり言えるストーリーではないけれど、良くも悪くも視聴者の心に残る映画だと思います。
ハスラーズ
実話を基にした映画。
祖母を養うためにストリップクラブで働く主人公・デスティニーは、同じ店のトップダンサー・ラモーナと親しくなり、彼女とともに大金を稼ぐようになる。
しかし2008年のリーマンショックにより店は経営難に。
デスティニーを含めダンサーたちも全員、一気に生活苦に陥ってしまう。
ある日、ラモーナは、こんな状況下でも変わらず大金を稼ぎ続ける『ウォール街の男たち』から金を騙し取る計画を、デスティニーに持ちかける。
過酷な労働環境に身を置く女性たちが巻き起こす、男たちへの復讐劇という点から、ネットの一部レビューに「スカッとした!」という投稿が散見されたのですが、個人的には「そうかな?」という印象。
ラモーナは当初、「真面目な貧乏人から搾取し続けるウォール街の奴らが許せない」という大義名分の元、計画を実行するのですが、それが上手く行くにつれ肝心の目的がどんどんすり替わっているように見えました。
より効率良く金を奪えるよう新たなメンバーを雇い入れるなど、次第に組織化し、同時にトラブルも頻発するようになってしまいます。
「住宅ローンが払えない。金を返してくれ」と懇願する被害者からの電話に、デスティニーはさすがに罪悪感を覚えた様子ですが、ラモーナは意に介さず。
デスティニーから無理やり電話を奪い、通話を切ってしまいます。
もはや当初の『復讐心』など忘却の彼方。
ラモーナの目的が徐々に、彼女自身も気づかぬうちに『復讐』から単なる『大金稼ぎ』になり、稼ぐために見境も無くなって行く有り様は、彼女自身が憎んでいた『ウォール街の男たち』とさほど変わらないように感じました。
結果的に、ラモーナもデスティニーも、計画に関わった女性たちは全員、相応の報いを受けることになります。
彼女たちの犯行やその動機が世に明るみに出たところで、搾取する側の人間たちが絶えることはありません。
彼らは尚も大金を稼ぎ続け、その金を裸で踊る女たちに投げつけては快楽を貪り尽くしていることでしょう。
男たちが牛耳る世界に果敢に牙を向いたかに見えたラモーナたちだけれど、次第に自らも金に溺れ、欲にまみれた挙げ句、この世の巨大な支配構造に抗い切れず、敗北という結果に終わりました。
また、映画では描かれていませんが『ウォール街の男たち』にしても、おそらくラモーナたちが想像もつかないような過酷な競争社会に身を置いているのだろうと思います。
単なる『女たちが男たちに復讐してスカッとする話』などではなく、男も女も、どちらも完璧な幸せには到達し切れず、終わりのない欲望の渦に足を取られたまま延々葛藤し続ける苦難の話なのだと感じました。
キラキラしたシーンも多くありますが、基本的には男と女と金にまつわる厳しい現実を視聴者に突きつける、社会風刺的な作品だと思います。
ポーラー・エクスプレス
2月の連休にクリスマス映画を観るという……。
時期が早いんだか遅いんだか、よく分からない気分でした(苦笑)
サンタクロースの存在を信じたいけど信じきれない、そんな主人公の少年がクリスマス・イブの夜、突如現れた謎の機関車『ポーラー・エクスプレス』に乗って、北極点を目指す物語。
フルCGアニメ映画。
家族で楽しめる内容なので、ラストは当然ハッピーエンド。
先にレビューした2作品とは違い、安心して観られる映画です(笑)
ポーラー・エクスプレスの車掌がまんまトム・ハンクスなのには笑いました。
北極点を目指す道中、汽車が制御不能に陥りジェットコースターの如く爆走するシーンは思わず声を上げてしまうほどの迫力。
あんな感じのアトラクション、ディズニーランドかUSJで造ったりしたら人気出そうだなーなんて思ったり。
あと、少年が車両の屋根上で出会った謎の男の正体が最後まで判然としないままだったけれど、汽車に乗車する際、車掌から「幽霊を信じるか?」と訊かれ、すぐに頷いていた少年のシーンを思い出し、「ああ、なるほど」と納得しました。
この映画については特に堅苦しい考察などする必要はなく、子供たちと一緒にポーラー・エクスプレスに乗車した気分に浸りながら、北極点への旅を存分に楽しめば良いと思います。
タイトルは分からないのですが、主人公とヒロイン、最後に汽車に乗車した気弱な男の子が一緒に歌っていたクリスマスソングが凄く良い曲でした。
まとめ
◆今回ご紹介した映画↓
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