ロルフ・ドべリ著『Think clearly』を読みました。
本書に記載されている「52の考え方」について、仕事や日常生活ではもちろん、現在のコロナ禍を生き抜く上でも必要なことが書かれているなと感じました。
この本の発売自体はコロナが流行り出すより前だったと思いますが、今の時代に活かすことで自分の人生が少し楽になるかもしれない、そんな1冊です。
今、自分が置かれている状況に役立つ思考法が必ず見つかる
「どうすれば良い人生が送れるのか」
「なぜ自分は何事も上手くいかないのか」
誰もが抱えるそんな悩みや不満、あるいは不安に対処するための「52の考え方」が紹介されています。
中には「え? 本当にそんな考え方で良いの?」と驚いてしまうような思考法もありますが、私自身が普段からあまりにも「こうでなければならない」という思い込みに支配されていたのだなと気づかされました。
「52の考え方」の内容はシンプルなものがほとんどで、特別な人にしか実行が難しいということもありません。
「これからは少し角度を変えて考えてみようかな」くらいの気持ちで読み進めると、自分自身にも応用できる思考法がたくさん見つかって面白いですよ。
自分の中のネガティブな感情は、必ずしも特別なものではないのかもしれない
私自身も幼少期から何かとネガティブに物事を捉えがちで、「心配しすぎ!」「考えすぎ!」なんて言われることもしょっちゅうです。
しかし最近、いわゆる自己啓発系の本を読むたびに、「あれ? 案外みんな同じことで頭抱えてるんだな」などと気づくことが増えました。
私がネガティブ過ぎて頭おかしいとかいうわけではなく、誰にでも起こり得る事柄や誰もが抱えている共通の悩みに対して、私自身があまりにも複雑に考え過ぎていただけなのかもしれません。
世間ではよく「日本人は世界と比べて特にこういう気質がある」なんて言われたりしますが、この本を読むと、「それ案外、全人類共通の性質なんじゃないの?」という気がします。
『Think clearly』 の著者はスイスの方ですが、 その方が書いた本を日本人の私が読んで「こういうことある~」って共感できてしまうのですから。
更にこの本は日本のみならず、世界中でベストセラーになっています。
世界中の人々が、この本に書かれた思考法に共感しているんです。
「私だけが特別おかしい」とか「日本人だから特にこういう気質が~」などではない。
現代に生きるすべての人に起こり得る(もしくは既に起こっている)事柄なのであり、それに対処するための方法は案外シンプルなものだよということを、この本は教えてくれているように感じます。
自分を守る『尊厳の輪』を持つことはコロナ禍の今こそ重要
どんな事情があろうと妥協できない、個人的な優先事項や主義の明確な領域を、私は(「能力の輪」にならって)「尊厳の輪」と呼んでいる。(中略)「尊厳の輪」は、(a)より筋の通った論理、(b)あなたの信念をおびやかす危険、(c)悪魔との契約、という三つの危険からあなたを守ってくれる
『Think clearly』(ロルフ・ドべリ【著】・安原実津【訳】・サンマーク出版)より引用
自分自身のポリシーや優先事項を明確にすること。
これは今のコロナ禍では特に大事なのではないでしょうか。
コロナに関しては日々あらゆるメディアが競い合うように報道を繰り広げています。
視聴者である私たちはいったい何が真実なのかもわからず、無数の情報に翻弄されながら感染への恐怖心ばかりを募らせている状況です。
しかし自分の中の「尊厳の輪」が明確であれば、テレビや新聞がどのように報道していようと、社会がどう移り変わろうと、その状況を冷静に見極めることができると思います。
ワクチンを打つ・打たないに関しても同様です。
自分自身の「尊厳の輪」に従って、
「自分にとって何が最も重要なのか」
「自分にとって一番のリスクとは何か」
「目の前の情報に対し自分自身はどう感じているのか」
これらを明確にしておけば、後悔のない判断を下すことができるはずです。
「テレビのニュースでこう言っていたから」とか「周りの人がみんなそう言っているから」ではなく、「自分の考え」に基づいて動くこと。
ワクチンを打つにしろ打たないにしろ、後悔することが一番良くないと私は思っています。
打ったとしても将来的に身体にどんな作用をもたらすのかも分かっていないし、かといって打たなかったとしても感染や重症化のリスクに晒され続けることになる。
著者は更に、「尊厳の輪」に対する社会からの攻撃について「言葉による攻撃がもっとも不快だ」と述べています。
私自身はテレビ自体をまったくと言って良いほど観ないのですが、たまにニュースをつけてみるとやはり「過剰に煽っているな」と感じてしまいます。
決して現在の状況を軽視しているわけではないですし、ワクチンを否定する気もありませんが、周りの雰囲気に流されるのではなく、あくまで「自分の考え」で判断を下したいと思っています。
国やメディアは日々あらゆる情報を発信しながら、私たちを何らかの方向へ誘導しようとしています。
どちらの方向を選んでも後悔することのないように、自分だけの明確な「尊厳の輪」を持つことが、コロナ禍を生き抜く秘訣なのではないかと思いました。
まとめ:この本から学んだこと
- 自分が持つあらゆるネガティブな感情は必ずしも特別なものではなく、案外誰もが抱えているもの
- 「こうでなければならない」という思い込みを捨て、少し角度を変えて物事を捉えてみる
- 「尊厳の輪」を明確にすれば情報に踊らされることなく、後悔のない判断を下すことができる
複雑化する世の中かもしれませんが、ちょっと視点を変えてみれば案外シンプルな対処法が見つかることもあるし、考え方1つで身の回りの景色がまったく違って見えることもある。
その一方、絶対に譲れないポリシーを1つでも明確にしておけば、苦難が続く時代でも自分のペースで、自分だけの幸福を見出すことができる。
著者は「思考の道具箱こそ、人生にとってもっとも大切だ」と述べています。
先の見通しがきかず誰もが不安に陥った現代でも、普段の思考をちょっと変えてみれば思わぬ生き方が見つかるかもしれません。
すべては考え方1つ。
人間って複雑なようでいて、実は結構シンプルにできているのかもしれない。