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「ポンコツな自分」を偽り続けて失敗した、ポンコツ過ぎる私【読書感想:ポンコツなわたしで、生きていく(いしかわゆき・著)】

読んだ本
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幼少期の頃から今に至るまで、劣等感の塊みたいな私。

「どうして私は皆と同じように出来ないんだろう?」

そんなふうに悩みながらも、何とか周囲に追いつこうと、とにかく必死にやって来た気がします。

「何事も、やれば出来るはず」

そう信じて、明らかに苦痛だと感じている職場に何年も務め続けたり。

もちろん、ちゃんと出来たことも中にはあったけど、ダメなものは徹底的にダメだった。

前職ではしっかり働けたから、次も同じ職種を選んだのに、何故か心身ともに辛くなって短期間で離職してしまったり。

どうして私はこうなんだろう?

最近、その原因を少しずつですが認められるようになってきました。

それはズバリ、

『私は、私が思うほど何でも出来る人間ではない』ということです。

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【ポンコツなわたしで、生きていく】いしかわゆき(著)

フリーライターとして活躍されている著者・いしかわゆき さんのエッセイ。

『ポンコツ』を自称する著者が過去に起こした数々の失敗談を交えながら、それでも程よく生きてこられたというメッセージは、どれも胸を打たれるものばかり。

そして、この本に大いに共感してしまう私も実は、『皆のように出来ない』を必死に隠し虚勢を張って生きている、著者以上の『ポンコツ人間』だったのだと、腑に落ちたのでした。

『出来る』振りして嫌われる

「できないこと」ってあたかも努力をすればできるように思えるけど、いくらがんばってもできないことってたくさんあるんですよ。それを、「やりつづけていれば、いつかできるはず」と思うから、誰かと比べて上を見て落ち込むんですよね。

でも、少なくとも幼いころから今にかけてやりつづけているにも関わらず未だにできないことは、これからもできない。そしてそれは、ショックなことじゃありません。

「できない」とちゃんと認めるからこそ、「じゃあどうすればいいんだろう?」とはじめて自分のことが見えるようになるんです。

引用元:『ポンコツなわたしで、生きていく。~ゆるふわ思考で、ほどよく働きほどよく暮らす~』いしかわゆき(著)・出版社:技術評論社

↑これ、私も身に覚えがありまくりです……。

「やれば出来る」と自分を過信して、無理にでも周りに合わせようとして盛大に失敗する。

自分の本性を上手に隠したつもりだったけど、今まで出会ってきた人たちはきっと、私が無駄な虚勢ばかり張ってるダメ人間だってことくらい、すっかり見抜いていたんだろうと思います。

そりゃ人間関係も上手くいかないし、仕事も長続きしないわけですよ。

偽らずに生きること

著者のいしかわさんは、しっかり自分自身と向き合うことで得意・不得意などを明確にし、自分に合う仕事や環境を見つけるために行動し、そして現在、フリーライターとして活躍されています。

この本を読むと分かりますが、いしかわさんは決して言葉通りの『ポンコツ人間』ではありません。

周囲の『当たり前』に流されず、自分の軸をしっかり見据えて生きている、地に足のついた女性です。

自分が『ポンコツ』だと認めたからって決して卑屈にはならず、「じゃあ、どうすれば良いか」と、あくまで前向きに受け入れることで天職に巡り合い、周囲から嫌われるどころか友人にも恵まれている。

「ありのままの自分で生きる」とよく聞きますが、こういうことかと読んでいて納得しました。

「素の自分なんか見せたら周囲に迷惑かけて嫌われるだけだろ!」と思い込んでいたけれど、そういうことじゃない。

自分はこういう人間で、これが嫌いだけど、これが好き。

こういうことが苦手で、でもこれは得意。

こういう環境でなら、自分のこういう特技が活かせる。

そうアピールすることは悪ではないし、ただの我儘とは別物ですよね。

自分がどういう人間かを明確にすることで、そういう人材を求めている人や職場が自然と引き寄せられてくる。

反面、自分を偽ってばかりいると、『偽りの自分』を求める人ばかりが集まってくる。

表面的にはそれで問題なさそうだったとしても、その人たちは所詮、仮面を被った『偽りの自分』を好いているだけだから、いずれ辛くなってくる。

「偽りの自分」を演じている限り、自分が本当に望む人はやってこないのです。

引用元:同上

私にとって耳が痛い言葉ですが、でも当然のことだったのです。

今まで散々、自分自身のことも、周囲の人たちのことも欺き続けてはボロを出し、望まない結果ばかりを生んできた。

「じゃあ、どうすれば良いのか? どうしたいのか?」

未だに自問自答が終わらない、ポンコツな私です。

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