「なぜこんなに生き辛いんだろう……」
10代の頃から現在に至るまで、私が抱き続けているこの感覚。
理由も分からず、とにかく社会に適応しようと我武者羅にやって来たのですが、これってどうやら、知らず知らずのうちに自分の脳みそに『制限』を掛けていたからのようです。
「●●であるべき」
「●●しなければいけない」
親から、学校から、社会から……。
上記のような言葉を一方的に聞かされるうちに、やがて脳が自分の能力に制限をかけてしまう。
『ブレインロック』と言うそうです。
『できないのはあなたのせいじゃない』勝間和代・著
勝間和代さんの著書はこれが初購入なのですが、ブレインロックが如何なるものか、はっきりした言葉で書かれています。
キツイという意味ではなく、はっきりしているおかげですんなりと知識を頭に入れることが出来る内容になっています。
「そうか! 私もすっかり社会に洗脳されていたのか!」
……という具合に、私も気持ちよく自分の中のブレインロックに気づくことが出来ました(笑)
本書に紹介されているブレインロックの数々は、おそらく大多数の人が無意識のうちにかかってしまっているであろうものばかり。
「自分にはできない」と思いがちな方には、ぜひオススメしたい1冊です。
ブレインロックとは?
ブレインロックは事実とは関係なく無意識に「自分にはできない」と自分の能力を制限してしまうからです。
(中略)誰もブレインロックから逃れることはできません。なぜなら、幼少期からの親の教育や社会的なメッセージによって、知らないうちに自分の中に形作られてしまうものだからです。
つまり、ブレインロックはいい換えれば、「社会的洗脳」なのです。
引用元:『できないのはあなたのせいじゃない ブレインロック解除で潜在能力が目覚める』【著者】勝間和代 【出版社】プレジデント社
本書の中で勝間さんが紹介されているブレインロックの一例↓
- 結婚して一人前、結婚したら子どもを作るのが当たり前
- 女の子は女らしく、男の子は男らしく
- 嫌なことも我慢して頑張るのが一人前の社会人
- 一度決めたことは最後まで変えずにやり通すべき
知らない間に植え付けられた価値観を疑うことなく生きていると、自分の可能性を狭める選択をし続けたり、「どうせ自分には無理」と思い込んでせっかくのチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
「こうあるべき!」みたいな信条に従って生きている人は、確かに一見すると「迷いがなくてカッコ良い!」という印象を受けますが、別の見方をするとそれは単なる『思考停止』とも言えます。
「こうあるべき!」というのはあくまで周囲から教え込まれたものであり、その人自身の考えは本当は別なのではないか、ということ。
それに気づかず、または気づいても見て見ぬふりをしてひたすら教えに従って生きるというのは、「迷いがない」のではなく「考えたくない」だけ。
つまり、思考停止状態。
私自身にもそういうの、身に覚えがあります……。
ブレインロックってよく見ると、どれも旧時代的な教えがほとんど。
時代は刻一刻と変化しているというのに。
「彼氏or彼女をつくらなきゃいけない」「結婚しなきゃいけない」というのも同じく。
所詮は社会的洗脳による思い込みに過ぎません。
女性たちにも刷り込まれている『女は男より劣る』という社会的洗脳
勝間和代さんは以前、テレビ番組にも出演されていました。
何年か前、フジテレビのクイズ番組に出演されていたのをよく覚えています。
当時の私が勝間さんに抱いた印象は、「うわっ、こういう女性苦手」でした。
頭が良くて、誰が相手でもはっきりと意見を主張する。
それとは真逆のタイプの私にとって、当時テレビに映し出されていた勝間和代さんは『もし職場にいたら絶対近づきたくない女の先輩or上司』みたいだなと、大変失礼ながらそのように感じておりました。
実はこういうのも、私たちの中に刷り込まれたブレインロックの一種なのだそうです。
『女は男よりも弱く、無知な生き物。それが当然である』
大昔から全人類に刷り込まれている社会的洗脳により、それに反するような女性が現れると男も女もムキになって潰しにかかる。
人々のこういった思い込みにより、当時の勝間さんご自身も相当なバッシングを受けていたそうです。
申し訳ありません。当時の私も洗脳された1人でした……。
この手の社会的洗脳は男性だけでなく、女性の中にも深く根付いてしまっているのが厄介ですね。
国が『女性の社会進出』を推し進めても、肝心の女性たちが互いに足を引っ張り合っているという現状も多いのではと思います。
私の中のブレインロック
本書を参考に、私の中のブレインロックが如何なるものか、ノートに書き出してみました。
- 目上の人(教師、先輩、上司)には従わなければいけない
- 真面目な良い子でなくてはいけない
- 目立つ行動は控えなければいけない
- 怒られてはいけない
- 辛いことや苦手なことでも一生懸命頑張らなければいけない
- 仕事は大変なのが当たり前
- 休むのは罪
- みんなと仲良くしなければいけない
- 何事に於いても私は一番下の立場で、他の人の方が賢いし正しい
- みんながやっていること、が正しい
- 何でも完璧に熟さなければいけない
上記以外にも、まだまだたくさんあります。
子供の頃から塵も積もって、気づけば脳みそ雁字搦めですね。
「どうせ私なんか……」という思い込みからは、未だに脱却できずにいます。
結局『選んだのは自分』だった
ノートに書き出しながら思ったのが、
「社会的洗脳を受けたと言っても、結局そうすることを選んだのは自分だ」
ということ。
言いたいことがあるなら言えばよかったし、真面目な子と言われるのが嫌ならもっと自分を表現すればよかった。
それもせずに、ただただ周りの言う通りに行動してきたのだから、『社会的洗脳を受けると自分で決めた』ようなもの。
私の思考を、私自身が停止させたということです。
つまり、ブレインロックを解除したければ『自分で動く』しかないんですね。
まずは自分自身のブレインロックの存在に気づくことが大事
必要なのは、「今、自分が持っている価値観、情報、思い込みは本当に正しいのだろうか」と自分を疑う習慣です。
(中略)少し前までは「正しい判断」だったけれども、時代の変化とともにその価値観が変化して「間違った判断」になってしまうこともあります。
15世紀までは常識であると信じられていた天動説のように、自分の中の「絶対に間違いのない判断だ」という価値観がまったくの誤り、もしくは古臭い遺物になっている可能性を疑ってほしいのです。
引用元:同上
- 自分の価値観を疑う
- 自分の間違いを認める勇気を持つ
- 自分の行動を振り返り、内観する
自分の中のブレインロックに気づくために、まずはこの3点が重要ということです。
個人的に、『紙やノートに書き出す』というのも良いのではないかと思います。
実際に、私自身の思い込みをノートに書き出してみたのですが、1つ2つ書くうちに、あれよあれよと色んな記憶が呼び起こされ、あっという間に1ページ分が埋まりました。
紙やノートに書き出すことで自分が抱く価値観に気づき、それら1つひとつとじっくり向き合うことができます。
また、散らばりがちな思考もまとめやすくなるし、自分の考えを客観視しやすくなるので『内観』にも効果的ではないでしょうか。
本書で勝間さんが紹介されている『ながら内観』も、手軽に出来て良いと思います。
家事をしながら、歩きながら……という感じで。
わざわざ禅寺に通う必要もありません(笑)
まずは思い思いの方法で、自分の中の価値観と向き合ってみることが大事です。
まとめ
『できないのはあなたのせいじゃない ブレインロック解除で潜在能力が目覚める』
- 著者:勝間和代
- 出版社:プレジデント社
- 社会的洗脳
- 「こうあるべき!」「こうでなければいけない!」などという教えや思い込み
- 親、学校、社会的なメッセージにより形作られ、無意識に自分の能力に制限をかけてしまう
- 結婚して一人前、結婚したら子どもを作るのが当たり前
- 女の子は女らしく、男の子は男らしく
- 嫌なことも我慢して頑張るのが一人前の社会人
- 一度決めたことは最後まで変えずにやり通すべき
- 自分の価値観を疑う
- 自分の間違いを認める勇気を持つ
- 自分の行動を振り返り、内観する
この本の中で紹介されているブレインロックの数々は、ほとんどの人が持っているだろうものばかりです。
自分の価値観を疑うというのは相応の辛さを伴いますが、一方で「なんだ、ただ洗脳されていただけだったのか」とスッキリ腑に落ちることもあります。
まずは『ブレインロック』という存在に気づくためにも、この本はぜひオススメです。